洗濯機がトンネルの中に入った話

私は今、洗濯機を回している。

それにかかる時間若干34分。

その34分を使ってブログを書こうと思いこのページを開いたわけだが

これといって書くことが思い浮かばないまま今書き進めている。

それはまるで

先の見えないトンネルの中にいる気分だ。

抜けた先には洗濯され干されるのを今か今かと待っている衣類たちがいるはずなんだが、進んでも進んでも一向にそいつらの姿が見えない。

離れていっているのではないか。そんな気もする。

トンネルといえば

この写真のように

飛行機のエンジンのようなものがぶら下がっている事が極まれによくあるが

突然だが私はこれが好きだ。

憶測だが、恐らく換気扇だろう。

トンネル内の空気を循環するためにあるものだと勝手に思っている。

これを見ると何故かワクワクする。

飛行機が好きだからか、その要因は定かではない。

今の私の様に

人生誰しもトンネルの中にいるような気分になってしまう事があるだろう。

「トンネル？そんなもの無い無い！人生いつでもハッピー頭もハッピー！」

と言う人も中にはいるだろうが、そんな人は極わずかであろう。

ほとんどの人がトンネルに差し掛かる事がある。

トンネルといってもそれは人それぞれである。

狭く短いトンネルもあれば

広く長いトンネルもある。

人によって、トンネルは違う。

さて、ここまでで洗濯機の残り時間が25分となったわけだが

ブログとしてはすでに折り返し始めている。

起承転結で言う転である。

いや、まだ承かな

人それぞれ様相の違うトンネルをくぐる訳だが、

その中でも共通している事は何であろうか。

そう。

それは、暗く重苦しいという雰囲気である。

どんより　という言葉が適切であろうか。

しかし私は思う。(転)

トンネルは、何もどんよりしている必要はないのではないか、と。

華やかで煌びやかなトンネルだって良いはずだ。

もし今トンネルをくぐっているという人がいたら

そのトンネルを華やかに彩ってみて欲しい。

物理的な話ではない。精神的な話である。

物理的に彩ってしまったら、犯罪とまではいかないものの

多くの人から奇異の目で見られるだろう。

いやもしかしたら犯罪なのかも知れない。どっちだっていい。

暗いトンネルなら明かりをいっぱい着けて明るくしてしまえばいい。

気分が落ち込むなら道中楽しいものをいっぱい置けば良い。

狭くて苦しいならばかみたく広大に広げてしまえばいい。ついでに芝生でも生やしてしまえば良い。

「そんな事が出来るくらいなら、トンネルに入ってやいないさ」

「そんな事が出来るなら、とっくにトンネルなんて抜けているさ」

など色々思うところはあるだろう。

しかしその意見は畑違いである。

私は実際にそうして欲しいと願っている訳では無い。

そういう心の持ちようが大事なんではないかという精神論である。

トンネルは抜けるものではない。

トンネルという概念を取っ払って、それ自体を自分の心地良いものに変えてしまえばいい。

トンネルそのものを、自分の居心地の良い場所にしてしまえば良い。

つまり、人生＝トンネルなのである。

それは良いすぎかもしれないが、そんな感じだ。

さて、洗濯の方はもうすぐ終わりそうだ。

『先の見えないトンネルの中にいる気分だ。』

なんて序盤で言っていた私も

気がついたらトンネルなんてなくなっていた。

いや、正確には今もトンネルの中だが

それをトンネルだと思わなくなったのである。

なぜなら、先の見えなかったトンネルを

がむしゃらにブログを書くことによって華やかにし、

居心地の良いものにしたからである。

トンネルの先にあった洗濯機も、今やトンネルの中にある。

トンネルを広げて洗濯機を入れこんだのか

洗濯機をトンネルの中に引き入れたのか

そんなのはどっちだって良い。

私はこれから

こいつの事を「洗濯機」と呼ぶことにする。